ゴリラ
大規模な通信障害が起こったときなどに備えて、1人が複数のスマホ回線を契約する動きが見られるようになっています。
この記事では複数の回線を1台のスマホで運用する「デュアルSIM」について、これからやってみたい人に向けて、ていねいに解説します。
- A社とB社の電話番号を同時に待ち受けできる
- A社とB社、好きな方のデータ通信を切り替えながら使える
といった使い方ができます。
不安な方は端末はiPhone SE(第3世代)、2回線目はpovo2.0やLINEMO、楽天モバイルなどの安いプランで試してみることをおすすめします。
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目次
1台のスマホで2回線持てる「デュアルSIM」とは?
これまで複数の通信回線を持つには、スマホを2台持ちする必要があり、これが面倒であきらめていた方も多いかもしれません。
しかし今は、1台のスマホに異なる2種類の回線を入れて使う「デュアルSIM」という方法が登場し、徐々に広がってきています。
デュアルSIMでは1台のスマホにA社、B社の回線を契約して、以下のような使い方ができます。
- A社とB社の電話番号を同時に待ち受けできる
- A社とB社、好きな方のデータ通信を切り替えながら使える
スマホの2回線目の契約を考えている方は、まずはスマホを2台持たないといけない、という考え方を捨てることから始めましょう。
世界ではこれまでにもデュアルSIMが当たり前のように使われてきました。
日本ではスマホを販売する各キャリアがユーザーを囲い込むために、自社以外の通信ができないようにロックをかけたり、1台のスマホに1つの契約しか入れられないようにしてきました。
そのため、デュアルSIMがなかなか広まらなかったと言われています。
デュアルSIMをする上で重要な「eSIM」
デュアルSIMをするために重要な役割を担っているのが「eSIM(イーシム)」という機能です。
これまでは、特定のキャリアと契約をすると、「SIMカード」と呼ばれる契約情報が記録されたチップがもらえて、これをスマホに入れることで、電話やデータ通信をしていました。
しかし、最近のスマホは、わざわざチップを入れなくても、スマホにもともと組み込まれている「eSIM」に、ネットを介して、契約情報を直接書き込めるようになりました。
参照:SIM(au ICカード/eSIM) | 製品 | au
そして、eSIMが使えるほとんどのスマホには、これまで同様にSIMカードも入れることもできます。
つまり、物理的なSIMカードはA社、eSIMはB社と契約することで、1台のスマホに2つの回線を入れることができるのです。
デュアルSIMのメリット
個人的に感じている、デュアルSIMで複数の通信契約をするメリットは以下のとおり。
- 2種類の異なる回線を持てる
- 毎月の通信費を安くできる
- 今のスマホキャリアを辞めなくていい
2種類の異なる回線を持てる→通信障害への備えに
今回、2つ目の回線を検討している方の多くは、予備回線としての契約を考えているのではないでしょうか。
デュアルSIMの最大のメリットが、異なる種類の回線を1台にまとめて持ち運べることです。
例えばドコモ回線とau回線を契約すれば、仮にドコモ回線に障害が起こったときでも、au回線なら使えるかもしれません。
毎月の通信費を安くできる
「契約する会社が増えると、高くなる」と思い込んでいる方も多いかもですが、実は通信費を安くするためにデュアルSIM運用する人はめちゃくちゃ多いです。
むしろ、日本では「少しでも通信費を節約したい!」という人たちによって、ここまでデュアルSIMが広がったと言っても過言ではありません。
例えば、毎月40GBのデータ通信をする人が、ソフトバンクの「メリハリ無制限(7,238円)」に入っていたとします。
そこで「ソフトバンク」の契約を「LINEMO」と「IIJmio」に分けるとします。すると……
- LINEMO(2,728円/20GB)
- IIJmio(2,000円/20GB)
→合計4,728円
というように、2回線に増えたにもかかわらず、通信費は大きく削減できます。
デュアルSIMを考え始めると「いかに最強の組み合わせを見つけられるか」を考えるのが、楽しくなってくるかもしれません。
今のスマホキャリアを辞めなくていい
これもわりとデカいメリットです。
- 「格安SIMにしたいけど、ちゃんとつながるか不安」
- 「他社に乗り換えたいけど、家族割の人数が減るので、家族に止められている」
などの理由で、ほんとはキャリアを乗り換えたいけど乗り換えられないという声は多いです。
デュアルSIMであれば、今の契約は続けたまま、新たに他のキャリアを追加できます。
例えば「どうしてもauをやめられない」とい方は、auを安いプランに変更した上で、他社の回線を新たに契約すれば、トータルの通信費を増やすことなく、2回線目が持てます。
デュアルSIMのデメリットや注意点
デュアルSIMにはデメリットはほとんどなく、すべてのスマホユーザーはデュアルSIMを始めるべきだとさへ思っています。
あえて考えつくものを挙げるとすれば、
- 使えるスマホが限られる
- 新しい会社と契約するのが面倒
といったことでしょうか。
ただ、ここ1年ほどで、デュアルSIMができるスマホはどっと増えていますし、今後はほとんどのスマホで対応すると思われます。
あと、そもそも契約が面倒な方は、この記事を読んでないと思うので、とくに不安がることなく、このまま進めちゃって大丈夫です!
デュアルSIM運用に対応したスマホ
先の説明のように、基本的にデュアルSIMは、物理的なSIMカードとeSIMを組み合わせることで実現します。
なので必然的にeSIMに対応しているスマホを選ぶ必要があります。
厳密には異なることもありますが、ざっくり「eSIMが使えるスマホは、デュアルSIMができる」と考えてしまってOKです。
対応したスマホを選ぶ自信がないゾ……
という方へ。
先に個人的なおすすめをお伝えしておくと、ここ数年で発売したiPhoneを買っておけば、間違いありません。
iPhoneを買っておけば間違いない
iPhoneは2018年秋に発売したiPhone XS、XRで初めてeSIMに対応しました。それよりも新しい機種であれば、デュアルSIM運用ができます。
▼デュアルSIMが使えるiPhone▼
- iPhone XS、XRシリーズ(2018年発売)
- iPhone 11シリーズ(2019年)
- iPhone SE(第2世代、2020年)
- iPhone 12 シリーズ(2020年)
- iPhone 13シリーズ(2021年)
- iPhone SE(第3世代、2022年)
- iPhone 14シリーズ(2022年)
いま現在、Apple公式、各キャリア、実店舗で新品で販売しているiPhoneであれば、ほぼ間違いなく対応しているので、迷うことはありません。
「こだわりがないから、安くて失敗しないもの」ということで、あれば、iPhone SE(第3世代)がおすすめです。
iPhone 13以降では「物理SIM+eSIM」のほかに「eSIM+eSIM」によるデュアルSIMにも対応しています。
Androidスマホは個別に確認が必要
国内で販売されたAndroidスマホは、iPhoneに比べてeSIMへの対応が遅れました。
数年前まではGoogle PixelシリーズくらいしかeSIMが使えませんでしたが、2021年頃からAndroidスマホでも対応機種が増えてきました。
Androidは種類が多く、対応している機種をすべてお伝えすることができません。
ネットでスマホの商品ページを見て、SIMカードの項目に「nano SIM / eSIM」のように、eSIMが使えるという記載があるかを確認しましょう。
参照:au「Xperia 10 Ⅳ」の商品ページ
参照:楽天モバイル「AQUOS wish」の商品ページ
物理SIMカードを2枚入れられるスマホもある
海外製のスマホでは「物理SIM+物理SIM」というように、物理的なSIMカードを2枚入れることで、デュアルSIMを利用できる機種があります。
デュアルSIMが日本よりも先行していた海外では、eSIMが登場する前から、物理SIM2枚で、デュアルSIMが利用されてきました。
国内ではXiaomiやOPPO、Galaxyなど、海外メーカーが直販しているモデル(SIMフリーモデル)を中心に、物理的なSIMが2枚入るものがあります。
デュアルSIMをする手順
デュアルSIMを使うための流れは、ざっくり、
- デュアルSIMに対応したスマホを用意する
- 使いたい2つのSIMを契約する
- 設定する
というステップです。
ここでは、あくまで一例ですが、以下のゴリラくんのような想定で、デュアルSIMを使えるようにするまで流れを説明していきます。
みなさん、それぞれの事情に合わせて、読み替えながら、参考にしてください。
今はドコモを契約してて、スマホはiPhone 13だから、そのまま使うつもり。家族割を抜けたくないから、ドコモはやめないで、2回線目に楽天モバイルを契約する予定!
ゴリラくんは今のスマホがデュアルSIMに対応していたので、そのまま使えます。
もし、非対応のスマホを使っている方は、新たに対応機種を購入します。
スマホはどこで購入しても問題ありませんが、不安であれば、今、契約しているキャリアで対応スマホに機種変更しておくのも良いですね。
もしくは、今回、新たに契約するキャリアで契約といっしょに購入してもOKです。
今回、新たに追加する楽天モバイルの回線を契約します。
ゴリラくんは、既存の1回線目(ドコモ)は、物理的なSIMカードで契約していたので、楽天モバイルはeSIMで申し込みました。
おそらく、ほとんどの方も、2回線目はeSIMで申し込むことになるかと思います。
案内に従って、iPhoneに楽天モバイルのeSIMプロファイルをインストールします。
eSIMで通信、通話するためのデータがまとめられたファイル。契約後に、各キャリアの案内にしたがってインストールできる。
ちなみにインストール作業は、これから利用するスマホで行います。
インストールが完了すれば、手続きは完了です。
eSIMを使うための作業はこれだけです。
さらにくわしいことは、キャリアごとにまとめているので参考にしてください。
iPhoneでデュアルSIMを実際に使ってみる
物理的なSIMに加えて、eSIMのインストールが完了すると、アンテナピクトが2種類になります。
この状態ですでに、2種類の電話番号を同時に待受できる状態になっています。
また、iPhoneの場合、「設定」>「モバイル通信」>「モバイルデータ通信」に進むと、データ通信を使う回線を選べます。
データを使う回線は、自分が好きなタイミングで、何度でも変更できます。
さらに「設定」>「モバイル通信」>「デフォルトの音声回線」では、通常、どちらの回線で電話をかけるのか設定しておくことができます。
(ここで選んでいない方も、電話の待ち受けは常にできるので、安心してください。)
電話をするときにも、どちらの電話番号(回線)を使うか、選べます。
AndroidでデュアルSIMを使ってみる
以下はXiaomiの「Mi 11 Lite 5G」でデュアルSIM設定した様子です(この機種では、2枚の物理SIMを使ってデュアルSIMをしています)。
アンテナピクトを見ると、2つの電波が立っているのがわかります。2つの電話番号を待ち受けできる状態になっています。
またAndroidスマホは機種によって設定の項目が異なりますが、「SIMカードとモバイルネットワーク」や「ネットワークとインターネット」などの項目から、
- 通話で使うSIM
- データ通信をするSIM
を選ぶことができます。
また電話をかける際にも、どちらのSIM(電話番号)を使うか、選べます。
【最強はどれ?】デュアルSIMにおすすめのキャリア
デュアルSIMは「いかに自分に合った組み合わせを見つけられるか」が、醍醐味です。
スマホの使い方は十人十色。絶対的な答えなどありません。
以下もあくまで一例ですが、デュアルSIMで契約する会社を選ぶ際の参考にしてください。
例① 大手キャリア+楽天モバイル
という方におすすめなのが、この方法。
- 3GB(1,078円)から20GB以上(3,278円)まで使った分で料金が決まる
- 20GB以上は上限なしの使い放題
- Rakuten Linkを使って、電話もかけ放題
例えば、今、大手キャリアでデータ使い放題のプラン(7,000円くらい)に入っているなら、楽天モバイルを契約して、既存の契約を最小プランに変更することで、節約できるかもしれません。
例② povo2.0+HISモバイル、povo2.0+nuroモバイルなど
いかに安く使えるかを極めたい!
という飽くなき探究者へ。
今、とくに話題なのが、基本使用料が0円から使えるpovo2.0を組み合わせる方法です。
各社で「副回線サービス」がスタート
この記事で紹介したデュアルSIMが難しい……!というユーザー層を対象に、2023年春から夏にかけて、各社から「副回線サービス」がスタートしました。
- ドコモ:au回線が利用可
- au・UQモバイル:ソフトバンク回線が利用可
- ソフトバンク:au回線が利用可
正直、割高で使い勝手は良くないので、普通にデュアルSIM運用することをおすすめします。
デュアルSIMで気になること
最後に、デュアルSIMをする際に気になること、知っておきたいことをまとめておきます。
2つの電話番号を同時に待ち受けることはできる?
上記説明のとおり、近年発売したデュアルSIM対応スマホは、基本的に同時に待受けられるものがほとんどです。
ただ少し古いスマホだと、2つのSIMを設定できても、どちらか片方のSIMしか有効にできない(片方しか待受、通信できない)ものもあります。
ただ、2022年に国内で新品で販売されているスマホなら、気にかける必要はありません。
デュアルSIMにするとバッテリーの消費は多くなる?
若干の影響はあるかもしれませんが、デュアルSIMが原因で、電池の持ちが極端に悪くなることはないでしょう。
現に僕の場合は、デュアルSIMでも大きな影響を感じていません。
3回線以上、設定、待受できるの?
同時に使えるのは2回線までです。
ただ、eSIMは2回線以上、設定(契約をして、プロファイルのインストール)しておくことはできます。
例えば
- ドコモ(物理SIM)
- povo2.0(eSIM)
- LINEMO(eSIM)
- 楽天モバイル(eSIM)
のように、契約したeSIMを複数入れておくことはできますが、3回線同時に待受はできません。
LINEも電話番号ごとに分けることができる?
一部のAndroidスマホの中には、LINEを複製して、異なるアカウントで管理できる機能が付いているものがあります。
デュアルSIM対応かつ、アプリの複製ができる端末は限られてきますが、探してみる価値はありそうです。
- Google Pixel 6a(マルチユーザー機能)
- Galaxy M23 5G(デュアルメッセンジャー機能)
- Redmi Note 11 Pro 5G(セカンドスペース機能)
- OPPO Reno7 A(アプリクローン機能) など
まとめ
かつて今ほど、僕たちの生活がスマホに依存した時代はありませんでした。
それはつまり、一度、障害や災害で通信できなくなってしまうと、生活が立ち行かなくなることを意味します。
個人的には、今の時代、誰もが複数回線を持っておいた方が良いと考えています。
予備回線になるのはもちろんのこと、使い方によっては、毎月の通信料金を減らせることもあります。
いろいろと考えるのが面倒な方は
で、デュアルSIMを試してみてはいかがでしょうか。
ちなみに:契約するならオンラインショップがお得です
契約を検討しているのであれば、オンラインショップがお得なので、最後にそれだけ簡単に説明しておきます。
理由は以下3点です。
- 事務手数料、頭金がかからない(auは手数料かかります)
- オンライン限定キャンペーンがある
- 来店不要・待ち時間がない
金銭的メリット(事務手数料、頭金)だけでなく精神的なメリット(来店・待ちなし)も大きておすすめ。
また、各社が直営する公式オンラインショップなので安心して契約できます。
少しでもお得にかしこく契約したいと思っている人は、ぜひオンラインショップを使ってみてください。